生成文法の企て

ノーム・チョムスキー、福井直樹・辻子美保子訳『生成文法の企て』岩波書店淡路島に行った時にががっと読んでしまったので、ちょっと前のだけど。山形さんの書評と概ね一致するけど、付け加えるならば学問、特に人文学の方法論に対する批判が興味深かった。以下、ちょっと抜き書き。 「何となく地に足がついているとような安心感があるんだと思います。抽象化というものに危惧を持ち、データから決して離れまいとする人がいます。...人文科学や自然科学における研究活動を見れば、ごくわずかの例外を除いては、データに依っている度合いが非常に高いことがわかります。」(p. 56) 「数学的推論の背後には、物理的直観を含むある種の直観が相当程度、もしかしたら多くの現役数学者が意識している以上に、横たわっているのです。」(p. 139) 冒頭の「訳者による序説」がよくまとまっていて、自分のような門外漢にはとても勉強になり、ありがたい。