相羽奈美の犬(全)

久しぶりに読んだマンガがこれ。

相羽奈美の犬(全) (ビームコミックス)

相羽奈美の犬(全) (ビームコミックス)

このマンガ家は『薫の秘話 (ビームコミックス) (BEAM COMIX)』以来好きで、『ママゴト 1 (ビームコミックス)』なども積読状態なのだが、最近忙しくて読む時間がない(正確に言えば、マンガを読む時間ぐらいならあるのだろうが、仕事を先にやらなければいけないのではないか、というワーカホリック的強迫観念でなかなか手に取ることができない)。相変わらず、あまり救いのない設定のクズ人間・ひねくれ人間たちがやや毒入りのギャグとともに描かれているのであるが、今回はファンタジー設定ということでやや救いがある終わり方であった。

大学で学ぼう 知のスキルアップ15

だいぶ前に出版されたものですが、ようやくAmazonで安定して買えるようになってきたので、こちらでも宣伝します。漢字文献情報処理研究会で作りました。

初年次教育の教科書です。けっこうがんばって作りました。従来の初年次教育の教科書と比較して、ICTの利用に関する説明が多くなっています。SNSでは気をつけろよ、みたいなことも書いてあり、読んでいただいた方から良い評価も頂いております。

この教科書を作るにあたってのコンセプト、特になんで漢字文献情報処理研究会で初年次教育の教科書などを作ったのかについては、漢字文献情報処理研究会2013年度 サマー・カンファレンス 大学教養課程とICT教育初年次教育学会 第6回大会などで発表させていただきました。前者については近々出る予定の『漢字文献情報処理研究』第14号で文章化しておりますので、ご笑覧頂ければ幸いです。

ActiveMailでの添付メールの送り方

大学のActiveMailで添付ファイルが送れない、という質問がいくつかあったので、簡単に説明しておこう。

  1. ActiveMailにログインする。
  2. 上の[メール作成]をクリックして、メールを新規作成する。
  3. メール本文などを書いたら、右下の[添付ファイル]の[追加]ボタンをクリックする。
    f:id:moroshigeki:20130711002412p:plain
  4. [ファイルを選択]ボタンを押して、添付したいファイル(レポート文書など)を選択する。その後[アップロード]を押してアップロードする。
    f:id:moroshigeki:20130711002831p:plain
  5. メールが完成したら、左下の[送信]をクリックして送信する。

授業でも言った通り、メールには相手の名前、自分の名前、文末の書名などを忘れないようにしよう。

サブカル・スーパースター鬱伝

サブカル・スーパースター鬱伝

サブカル・スーパースター鬱伝

「サブカル系で活躍している人は40代で鬱になるのではないか」という仮説に基づくインタビュー集。実際に心身を壊してしまい、それを乗り越えた人々が赤裸々に病気の辛さを語る。

私は「サブカル」でも「スーパースター」でも「鬱」でもないが、やはり40歳になる年に心身が壊れてしまい(というと大げさだけども。ふりかえってみれば30代後半から徐々にその傾向があったが)病院に通ったりしたので、何とも身につまされる。

インタビューの中で吉田豪氏は、40代で心身を壊す原因の一つとして、体力が衰えていくのに運動していないことをあげる。再び自分をふりかえってみると、心身が壊れた時に救いになったのは少林寺拳法の練習であった。適度な運動、特に凝り固まった筋を伸ばすのが気持ちよかった(正確には痛気持ちよかった)し、殴ったり蹴ったりするのはストレス発散になったと思う。あと、結構重要だと思ったのは、少林寺拳法は誰かの手を握ることが多いので(握った側は反撃されるのだが (^_^;;)、スキンシップみたいなものによるリラックス効果みたいなのもあったのではないかと思う(スキンシップのことを学生に言ったら、「先生、心がやばいんじゃないですか」みたいなことを言われてしまった。まあ実際、そんな感じだったのだからしかたがない)。

このインタビューは、インタビュアーの吉田豪氏が40代に突入しようという時に、鬱になりそれを乗り越えた「先人」のオーラル・ヒストリーをまとめたものである。先人の伝記を使って人生の危機を乗り越える、という発想は、北條勝貴さんの「人物伝的歴史理解」(例えば下の本の「歴史叙述としての医書―漢籍佚書『産経』をめぐって」など)との関連でも興味深い。

“予言文学

“予言文学"の世界―過去と未来を繋ぐ言説 (アジア遊学)

ということで本書は、サブカルを入口に男子厄年(数え42歳)を人物伝で克服しようという本として、東アジア的に普遍的な価値があるんではないかと思うのである。大げさに言えば。

井筒俊彦の「深層意識的言語哲学」をめぐって

『サンガジャパン』Vol. 13に「井筒俊彦の「深層意識的言語哲学」をめぐって」という小文を寄稿しました。特集の中で思いっきり浮いている気がしますが、ご笑覧頂ければ幸いです。

サンガジャパン Vol.13(2013Spring)

サンガジャパン Vol.13(2013Spring)


内容としては、よく仏教などで言われる「言葉を超えた世界」みたいなものって、あまりちゃんと考えられてないよね、みたいな話です。分析対象としては、井筒俊彦先生の名著『意識と本質』を使っています。
意識と本質―精神的東洋を索めて (岩波文庫)

意識と本質―精神的東洋を索めて (岩波文庫)

この本で繰り返される、日常的経験世界を超えたところにある「深層」の「絶対無分節の存在」という概念は、よくよく読んでみると「無分節」ではなく、むしろ「文字」の世界だとされている。だったら「絶対無分節」とか言わなくてもいいじゃん!みたいなことを書いています。

井筒先生は「絶対無分節」の説明のために「言語アラヤ識」という独特の用語を用いるわけですが、私としては逆に「絶対無分節」という呪縛―言語を超えた真理というものを安易に前提としてしまう呪縛―から解放された井筒哲学のほうが唯識に接近するんじゃないかと思っています(これは以前、『春秋』での連載での主張に重なります)。

拙いものですが、ご批正頂ければ幸いです。